【感想・書評】若い読者に贈る美しい生物学講義|更科功|生物学の入門に【要約】

本&映画

こんにちは。文系学生のLinです。

2020年最初に読了した本を紹介します。それが『美しい生物学講義』(更科功)です。

帯に名を連ねるのは佐藤優さん、山口周さん、竹内薫さん、養老孟司さんと堂々たる面子ですが、非常に面白かったので紹介します。

ちなみに、僕の生物学に関する事前知識は、高校の「生物基礎」レベルだと思っていただけると大差ありません。薄く広く知っているイメージです。

そのくらいの知識で十分楽しめました。

それでは、内容紹介です。

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どんな本?内容をざっくり。

著者について

麻布高校卒、東京大学教養学部基礎科学科卒。

卒業後は民間企業に勤め、その後大学院に戻ったと言う、日本では少し珍しい経歴の持ち主です。

現在は、筑波大学で研究員をされています。

進化論系の著書を多数執筆されており、『絶滅の人類史』や『残酷な進化論』などが有名ですね。

読みたいと思いつつ積ん読になっているので、読んだらレビューします。

目次

はじめに
第1章 レオナルド・ダ・ヴィンチの生きている地球
第2章 イカの足は10本か?
第3章 生物を包むもの
第4章 生物は流れている
第5章 生物のシンギュラリティ
第6章 生物か無生物か
第7章 さまざまな生物
第8章 動く植物
第9章 植物は光を求めて高くなる
第10章 動物には前と後ろがある
第11章 大きな欠点のある人類の歩き方
第12章 人類は平和な生物
第13章 減少する生物多様性
第14章 進化と進歩
第15章 遺伝のしくみ
第16章 花粉症はなぜ起きる
第17章 がんは進化する
第18章 一気飲みしてはいけない
第19章 不老不死とiPS細胞
おわりに

参考文献

内容

著者は進化論の専門家ですが、本書はそれにジャンルを絞らず、広く浅く書かれた生物学の入門書です。

目次を見ていただけると分かる通り、高校で習う生物の範囲を一通り網羅しています。読み物としては、どれかの内容に限定していない本書のような作品は珍しいのではないでしょうか。

正直、高校生の時に読みたかったです。そしたらもっと生物の授業を楽しめたと思います(泣)

要約(内容をピックアップ)

ここでは、特に面白かった内容をピックアップして要約してみます。

第5章 生物のシンギュラリティ

シンギュラリティとは?

「来るぜ、来るぜ」と言われているシンギュラリティ。

シンギュラリティとは、人工知能が自分よりも能力の高い知能をもつ人工知能を作れるようになったタイミングのことです。

生物に関しても、同様のことを考えることができます。

自然選択が働くための条件

自然選択が働くために、絶対的に必要な条件が2つあります。

①遺伝する変異があること

②大人になる数より多くの子どもを産むこと

①は、環境の変化により耐え抜きやすくするため、②は、個体同士で自然淘汰が働くようにするためです。

②はシビアな感じがしますね。

そして、自然選択が働くことは生物であるための条件でして、自然選択があることで、長期間に渡る種の存続を果たすことができます。

本章の終わりに、興味深い記述があります。

地球は広いし、時間はたっぷりある。生命のようなものは、きっと何度も生まれたことだろう。そして、生まれては消えていったのではないだろうか。でも、あるとき、シンギュラリティが起きた。

まるで、手塚治虫の『火の鳥 未来編』で永遠の命を手に入れた主人公、マサトが見た世界のようではありませんか。

感想

文系大学に通っていることもあり、大学受験以降なかなか生物学に触れる機会がなかったので、本書のような読み物は非常にありがたいです。

人間である以上は、自分がどんな風に動作しているのか、どう進化してきたのかなど知りたくなりますね。

本書は生物学の再入門にうってつけでした。今後も更科功先生の著書を始め、生物学の知識に触れる機会を積極的に設けようと思います。

ぶっちゃけ、全人類にオススメです。

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