【感想・書評】人生の勝算|前田裕二|SHOWROOM創設者の前田さんによる人生哲学

本&映画

こんにちは。文系学生エンジニアのLinです。

「SHOWROOM」(https://www.showroom-live.com/)というライブストリーミングサービス。

SHOWROOMを立ち上げた、現代を代表する起業家として有名な前田裕二さんですが、彼の半世紀を綴った作品が『人生の勝算』です。

頑張りたい大人の方が、モチベーションを高めるために素晴らしい本なので紹介します。

僕自身、モチベーションがモリモリと湧いてきました。

プロローグ 経営はストリートから始まった
第1章 人は絆にお金を払う
第2章 SHOWROOMが作る新しいエンターテインメントのかたち
第3章 外資系銀行でも求められたのは「思いやり」
第4章 ニューヨーク奮闘記
第5章 SHOWROOM起業
第6章 SHOWROOMの未来
エピローグ コンパスは持っているか

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本の内容

今、最も注目される若き起業家が生きていくための路上ライブで身につけた人生とビジネスの本質をすべて明かす―。

SNS時代を生き抜く為に必要な〝コミュニティ〟とは何か。
SNSの次の潮流である、ライブ配信サービスの最前線はどこか。

アーティスト、アイドル、モデルなどの配信が無料で視聴・応援できる。そして、誰でも配信者になれる。画期的な仮想ライブ空間の「SHOWROOM」を創り出した前田裕二の全思考。

幻冬舎HP https://www.gentosha.co.jp/book/b10952.html より

本書の読みどころ

逆境を乗り越えて立ち上がった前田裕二さん。

彼の行動力・ビジョンのバックグラウンドともなることが、本書に全て書いてあります。

優秀と言われ天才と言われ、世間から尊敬される若き経営者は、何を行動指針にし、何を考えながら日々生きているのか。

強力なモチベーション起爆剤ともなり得る本書の読みどころを紹介します。

冷静な分析力

・小学校時代の逆境
・地方に出向いたとき、前田さんはどこを訪れる?

小学生時代の逆境
地方に出向いたとき、前田さんはどこを訪れる?

小学生時代に両親を失い、兄と二人で生きていかなければならなくなった前田さんですが、彼は自分のギター1本でお金を稼ぐことを考え始めました。

どうしたらお客さんに喜んでもらえるか。

最初はオリジナル曲を演奏していましたが、最初からオリジナルを聞いてもらうことの難しさを悟り、お客さんに合わせた年代・ジャンルの曲を歌うことを考えます。

小学生ながら、PDCAを回しまくっています。

その結果、彼は「ストーリー」が介在することでお客さんとの間に絆が生まれ、熱量の高いファンになってくれることを発見しました。

ファンベースの姿勢は現在の前田さんの経営にも色濃く反映されているところですが、それを小学生で身につけていたというのは驚きです。

そんな小学生当時のエピソードに始まり、前田さんが出会っていく多くの一流の人たちから徹底的に技を盗む様子や、彼の思考が鮮明に見られます。まさに、努力の天才ですね。

同じような内容のストーリーとして、前田さんは地方に行く機会があったら、必ず地元の飲み屋に行くそうです。そこのママと話して、小さいコミュニティの本質を研究し、ファンベースの自分のサービスに活かす。とことんユーザー目線の経営者です。

評価経済や、「モノ消費→コト消費」についても本質に触れられています。

人を大切にする

・スーパー営業マンとの出会い
・DeNA創業者との出会い

前田さんが証券マン時代に尊敬していた上司の方に、宇田川さんというスーパー営業マンがいました。

彼は誰がみても有能な人材で、また人たらしとしても有名でした。

そんな宇田川さんに、前田さんが営業の勉強法を聞いた時の返答がこちら。

「 勉強なんかいらないよ。とにかく人に好かれること。秘書でも、掃除のオバちゃんでも、受付の人でも、好かれなくちゃダメだ」

どんな人でも好きになることでファンを増やし、何かあった時の味方を増やします。

打算では相手はわかるので、本当に好きになることです。

宇田川さんの教えを継承した前田さんは、どうしても嫌いな相手に電話をかけるときには自分に何十回も「大好きだ」と言い聞かせて電話をかけたそうです。

前田さんは若くしてすでに成功を掴んだ努力の鬼でありながら、自分の功績を自慢する話は本書にほとんど出てこず、どう考えているか、どう行動しているかということが熱量あふれて描かれています。

前田さんは、修行時代の師でありDeNA創業者の南場智子さんに、起業に必要なのはアイデアよりも実行力ということを学んでから、その考え方を支えにしているそうです。

そして、進むべき方向がぶれないために必要なのが、「人生のコンパス」です。

人生のコンパスを持つ

・コンパスのある人生

何に向かって生きているか。生涯で何を達成するのか。

前田さん自身、身近な方の死をきっかけに人生のコンパスを変更されています。

彼はそれを、適切な情報収集と目標設定、そして超人的な努力量で確実に実践し、着実な成果を上げ、周囲の信頼を勝ち得てファンを増やしていきます。

前田裕二さんは、ただの若手イケメン起業家ではありません。

本書を通じた前田さんの哲学からは、学ぶところが多すぎました。暗記するほどの再読をしようと思います。

同じく前田裕二さんの著書に『メモの魔力』があります。『人生の勝算』に感銘を受けたので、『メモの魔力』も読んでみたいと思います。

追記(2020.4.29):

『メモの魔力』読みました。こちらの記事もよろしければ是非。

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