【感想・あらすじ】江戸川乱歩傑作選|江戸川乱歩|怪奇小説の元祖にして最高峰【書評】

本&映画

こんにちは。文系学生のLinです。

小学生の時に、江戸川乱歩大好きでした。特に、子供向けに書かれている『少年探偵団』シリーズは全部読み干しました笑

子供ながらに、今と時代設定がずれているところもまた好きで、変装と失踪のプロである二十面相に本気で対峙していました。

もちろん、『少年探偵団』シリーズは氏が子供向けに書き下ろしたシリーズで、大人向けのかなり怪奇色の強い作品もたくさん書いています。

最近では「江戸川乱歩文庫」なる、氏の作品限定の文庫があるのですが、長編に入り込む前に新潮文庫から出ている『江戸川乱歩傑作選』を読んでおきましょう。

スポンサードサーチ

内容をざっくり。

短編集です。氏の怪奇趣味を味わってみるにはぴったりの作品です。

収録作品
二銭銅貨
芋虫
二癈人
D坂の殺人事件
心理試験
赤い部屋
屋根裏の散歩者
人間椅子
鏡地獄

の9本です。氏の初期の作品、つまり大正時代と昭和時代の境目くらいの時期の作品集ですね。

狂人の多く出現する作家&作品です。サイコパスが多いです。サイコパスに興味のある方はどうぞ。良くも悪くも記憶に残ります。

私はアホなので、「鏡地獄」を読んだ後、しばらくは全く鏡を見られなくなりました。

D坂の殺人事件

主人公の「私」と貧乏書生の青年・明智小五郎はD坂(おそらく団子坂を意識)の喫茶店でコーヒーをすすりながら、窓の外に見える古本屋の美人妻を眺めるのが習慣になっていました。(今だったらちょっとヤバいですね。)

ただ、その日は彼女の姿が見当たらず、2人が店を訪れると、彼女は既に殺害されていました。探偵気取りの2人が詳しく調べていくと、その部屋はずっと監視状態にあったことがわかり、密室殺人の様相を呈します。

「私」は明智を疑い始めるのですが…。

初期の作品から既に、ミステリーの王道を行く巧さの江戸川乱歩です。

屋根裏の散歩者

この世にあまり関心が持てず、つまらない生活をしている青年・郷田。次第に犯罪の真似事に手を染めていき、法に触れないスレスレのところを追求するようになります。

やがてそれにも飽きると、下宿の屋根裏に登り、天井の上を徘徊するようになります。そして、生理的に嫌いな同宿の男・遠藤の部屋の上にたどり着くと、天井に穴を開け、彼の口の上から少量のモルヒネを夜な夜な垂らすように…。

鏡地獄

主人公Kの友人である「彼」は、幼少期から鏡やレンズに関心を持っていて、成長するに伴いその興味を突き詰めていきます。

中学で物理を学んだ「彼」はその後も研究を重ね、自ら破滅の道へ突き進んでしまいました。

まとめ

「おすすめ」と言ってしまうと人格が疑われかねないので、どうにもオススメのしにくい作品でした。

というわけで、江戸川乱歩さんは主に大正時代~昭和中期にかけて活躍した、日本のミステリー・ホラー小説のパイオニアです。短編集の後は、ぜひ「江戸川乱歩文庫」に所蔵されている長編も読んでみましょう。

乱歩さんのホラー小説がお好きな方は、アメリカのホラー小説の大御所である、S・キングさんもおススメですよ。

The following two tabs change content below.