中学生になってから行動範囲が広がり、その気さえあれば、毎日でも本屋に通うことが可能になった時期の昂揚感を今でも鮮明に覚えています。
おかげさまで、大学生になった今でも、本屋さんに通うことが楽しくてやめられません(Kindle端末を持っているのにです笑)。
そんな本屋さん大好きな性質のおかげで、今現在ベストセラーになっている本をある程度タイムリーに把握できるわけですが、うすうす気づいていたことがあります。
「速読のハウツー本の、なんと多いことでしょう。」
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速読派の論理
これは興味深いことです。その類の本も読んだことがあり、速読派の主張も知っています。
本を情報収集ツールと割り切り、なるべく多くの本を脳内にスキャンして情報をインプット。書籍の内容はネット上の記事よりも信ぴょう性が高いということは一般に言えるので、結果的に、ある程度の信頼が置ける良質な情報が蓄積されていき、情報強者になれる、というわけですね。
そして、そういった本が一定の売れ行きを保っているということは、世の中には書籍をツールとしてとらえている人が多い、ということでしょう。
確かに、ネットはじめ、情報が氾濫する時代(しかも、肝心な情報の信ぴょう性がどんどん疑われるようになっている)の中でよりどころになり得るのは、実名を出して情報を提供している書籍ですよね。
これは頷けます。速読派は、ビジネス書を読み漁る社会人の方が多い印象。
遅独派の論理
一方で、遅独派(遅読、という単語はあまりみかけたことはないが)の主張としては、本は急いで読むものではない。本を読むこと自体、読んでいる時間自体が幸せで、速読という技術を特に必要としていない、といったところです。
どちらかというと私もこちら側の人間で、先人の考え方を効率的に吸収できるという意味では本をツールとしてとらえているフシがありますが、読書している時間が至福。
ただ、自分の人生の残り時間と相談すると、世の中に存在する大半の本に触れたい、という希望があまりに荒唐無稽なものであるという事実を改めて認識し、残念な気持ちになった経験は数知れず。
そうした意味で、生粋の本好きでも速読派に属する人も少なくないかと思います。
乱読について
速読派・遅独派に共通する願望は、なるべく広い視野を手に入れること、ではないでしょうか。そうした場合、おそらくジャンルを絞って読むのでは不足で、あまり読んだ経験のないジャンルも積極的に織り交ぜて読んでいきたいですね。
乱読の極意を知るうえで面白く読める本を、ここで2冊ほど紹介したいと思います。
『思考の整理学』という名著で高名な外山滋比古さん。彼の近著に『乱読のセレンディピティ』という本があります。
乱読のセレンディピティ
この「セレンディピティ」、失敗が予想だにしなかった大発見につながること、といった意味らしいですが、乱読という読み方はまさにそれですよね。
何かを得ようとして読むわけでなく、ジャンルを手広く漁っていたら、価値観を変えるような、 生涯忘れられないような 一冊に出くわすことがあるかもしれません。
そうした一冊との出会いを求めることは、読書の最大の醍醐味の一つであると思います。この本で、読みに関する論が様々展開されています。
本は10冊同時に読め!
同様のテーマを扱った本で、日本マイクロソフト社の元社長、成毛眞さんによる『本は10冊同時に読め!』があります。
こちらはタイトルの通り、「超並列読書術」と銘打って大量の読書を実現する、速読志向の強い本ですが、乱読を勧めているからここで紹介しています。
ジャンルのなるべく遠い本を10冊選び、それらを置いておく場所も、トイレからお風呂の中、枕元、どこでもOK。
(※小学生の時に誤って愛書をトイレポチャしてからは、私はトイレでの読書をやめることとなりました。)
確かに、読書習慣のある人とない人とでは考え方の幅・深みが大きく異なってくるのは真理でしょう。年月がたつほどに、違いは否応なしに出てきてしまいます。
と同時に、面白い本との出会いを心待ちにできることは、読書人の特権であり、人生の大きな楽しみが1つ増えることも間違いないです。
この世の本をすべて読み切れない悲しみと同時に、楽しみが尽きない喜びを抱える自己矛盾。この幸せを共有したいので、本ブログ『Lin@文化論』でも、私のセレンディピティをバンバン紹介していきたいと思っています!

Lin

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